現在、計算アルゴリズムおよび計算機性能の向上などに伴い、3種類の動的クォークの自由度を物理的クォーク質量 上で厳密に取り扱った、物理点における格子QCDシミュレーションがすでに実現されている。日本においても京スパ コンを使って、物理点近傍(π中間子が145 MeV相当)でかつ巨大な空間サイズ(一辺が8.1 fmの格子サイズ)での格子 QCDゲージ配位の生成が完了した。我々、PACS collaborationでは、そのゲージ配位を利用した「核子の大きさ」を 含む核子の内部構造に関する精密計算をこれまで行ってきた。その最新の結果を報告する。