階層型行列法は、科学技術計算に現れる密行列の近似手法として注目されている。 密行列の部分行列を低ランク行列を用いて近似することで、計算量や必要とするメモリ量を大幅に減らすことができる。 そのため本手法は、相対的にメモリ容量の小さいメニーコアプロセッサと相性が良いと考えられるが、 メニーコアプロセッサ向けの最適化に際しては、SIMD並列やロードバランシングを考慮する必要がある。 本講演では、階層型行列法のライブラリであるHACApKのOakforest-PACSシステム向けの最適化や、 複数ノードを用いた静電場解析への適用事例を紹介する。