格子量子色力学(格子QCD)は原子核や、陽子・中性子を構成する素粒子であるクォークとグルーオンの振る舞いを 第一原理から記述する理論である。格子QCDは4次元時空を格子離散化により数値計算が可能となっており、陽子 や中性子の物理的性質を予言することが出来ている。一方、原子核を計算するためには、より大きな時空体積が必 要となり困難となっている。格子QCDソルバーは格子QCD計算で最も時間の掛かるクォーク運動方程式を解く部分で あり、大規模疎行列連立方程式を反復法で解くものである。大体積での計算を目標として格子QCDソルバーを Oakforest-PACS 向けに SIMDベクトル化、OpenMP化、MPIオフロードによる通信隠蔽等の最適化を行った。これら の最適化手法と大体積での並列性能について報告する。また、McKernel 上での性能についてもふれる予定であ る。