「Wisteria/BDEC-01がもたらす新しい科学の夜明け」 中島研吾(東京大学情報基盤センター/JCAHPC) 東京大学情報基盤センターは,東京大学柏Ⅱキャンパス総合研究棟(情報系)に,「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステム「Wisteria/BDEC-01」を導入し,2021年5月14日に共同利用システムとして稼働開始予定である。「Wisteria/BDEC-01」はシミュレーションノード群(Odyssey,ピーク性能25.9PFLOPS)とデータ・学習ノード群(Aquarius,同7.2PFLOPS)の2つの計算ノード群を有する革新的なシステムである。 2つの計算ノード群を使用し,計算科学、データ科学、人工知能・機械学習の幅広いアプリケーションをカバーすることによって、最先端の科学技術計算を支える重要なインフラとなることは言うまでもなく、東京大学各部局(生産技術研究所、地震研究所、大気海洋研究所、物性研究所)、理化学研究所等との協力のもと、ものづくり、地球科学分野(固体地球、大気・海洋)、物質科学などの分野における「計算・データ・学習」融合により,サイバー空間(仮想)とフィジカル空間(現実)を高度に融合させたSociety 5.0実現に向けた重要なプラットフォームとなることが期待される。本講演では,東京大学情報基盤センターの現状,Wisteria/BDEC-01の概要と,同システムに関連した研究開発の現状と将来展望について紹介する。