「次世代先端的計算基盤の開発に向けたNGACIでの取り組み」 近藤正章(慶應義塾大学/理化学研究所計算科学研究センター) 計算科学と計算機科学コミュニティが協力してまとめた「今後のHPCI技術開発に関する報告書」が起点となりスーパーコンピュータ「富岳」の開発プロジェクトの発足に繋がったことは記憶に新しい。次世代先端的計算基盤の開発を考えるにあたり,計算科学とAI・ビッグデータ技術のさらなる融合やHPC技術の応用範囲拡大など,HPC技術への期待が大きい反面,ムーアの法則の終焉など多くの課題が待ち受けていることも事実である。そこで,次世代先端計算システムにのハードウェアおよびソフトウェアに関して技術的課題や研究開発要素を検討するために,我々は"NGACI(Next-Generation Advanced Computing Infrastructure)"を発足させ,これまでに密に議論を重ねつつ,White Paperの執筆等を行ってきた。本講演ではNGACI活動の現状と,最新の議論の内容などについて紹介する。