HOME > システム > SR16000 > SR16000 利用の手引き > 第3章 ログインノードの使用

第3章 ログインノードの使用

3.1 概要

利用者はすべての作業をログインノードで行います。本章ではログインノードを使用するにあたって重要なコマンドの使い方およびログインノードで使用できるソフトウェアについて紹介します。
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.2 シェルの種類

ログインノードでは標準で csh が設定されています。本章ではすべて csh を前提に説明します。ログインシェルは chsh コマンドで変更可能です。変更可能なログインシェルについては以下をご覧ください。


/bin/bash, /bin/tcsh, /bin/bsh, /bin/csh, /bin/zsh
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.3 初期設定ファイル

ログイン時に一回だけ実行されるスクリプトが ~/.cshrc です。このファイルに設定を書き込むことでユーザー独自の環境を自動的に設定できます。通常、コマンドサーチパスを設定する環境変数PATHの設定をカスタマイズしたり、シェルの動作をカスタマイズするためのシェル変数をセットしたりします。~/.cshrc で設定することの多い重要な環境変数は次の2種類です。
PATH
コマンドを探すディレクトリを設定します。自分のホームディレクトリにソフトをインストールした場合はインストール先にPATHを通すと便利な場合があります。
LD_LIBRARY_PATH
動的ライブラリの検索対象ディレクトリを設定します。自分のホームディレクトリにライブラリをインストールした場合、設定が必要な場合があります。いずれの環境変数もシステムデフォルトの値を消してしまわないように注意が必要です (センター初期値に戻したい場合には、/usr/local/skel/.cshrc にあるファイルをコピーするか、参考にしてください)。次に例を示します。
 setenv PATH /home/p11000/software/bin:${PATH}
 setenv LD_LIBRARY_PATH=/home/p11000/software/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.4 利用できるプログラム

ログインノードには計算ノードとまったく同じ仕様の計算機が使われています。したがって32個のコアがありますが、多くのユーザーで共有する資源ですので一人同時1コアの使用をルールとさせていただきます。並列化されたプログラムの実行や並列でのプログラムコンパイルはご遠慮ください。これは同時に複数のターミナルからログインすることを禁止するものではありません。
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.5 プログラムの強制終了

ログインノードでは他のユーザーと譲り合って資源をご使用ください。特に暴走してCPUを浪費しているだけのプロセスを残さないようにご注意ください。ログインノードでプログラムが正常終了しない場合、フォアグラウンドで実行している場合は Ctrl + C でプログラムを停止できます。バックグラウンド実行の場合は ps コマンドでそのプロセスのプロセスIDを調べ、kill コマンドを実行します。
 [p11000@yayoi-1 p11000]% ps
      PID    TTY  TIME CMD
  3277180 pts/16  0:05 ./a.out
  4129444 pts/16  0:00 ps
  3998580 pts/16  0:00 -csh
 [p11000@yayoi-1 p11000]% kill 3277180
ただし、この方法のkillはプログラムによって拒否されることがあります。どうしても強制終了が必要なときは kill コマンドに -KILL オプションを付けます。また、プロセス番号の -1 は自分に権限の及ぶ全プロセスを意味します。大量のプロセスが暴走を始めたときなど、マシン上の自分の全プロセスを緊急強制終了する必要がある場合は次のコマンドを入力します。これを実行した場合は暴走プロセスのみならず、ログインシェルも終了するので、強制ログアウトとなります。また、すべてのプログラムが直ちに強制終了となるので終了処理が定義されているプログラムであっても終了処理は実行されません。
 $ kill -KILL -1
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.6 独自アプリケーションのインストール

ログインノードではシステム標準のアプリケーションの他、ユーザーが自身でインストールしたプログラムも(並列化されていなければ)実行可能です。ファイルシステムは計算ノードとも共有されているのでログインノードでインストール作業を行い、バッチジョブからそれを使用することもできます。ユーザーディレクトリにプログラムをインストールする際に特別な連絡をセンターにいただく必要はありません。
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.7 制限事項

SR16000では利用者の秘密保持の観点から通常のUNIXシステムでは利用可能なコマンドの一部が利用できません。例えば w、ps など、他の利用者が実行しているプロセスの名前が取得できるコマンドは利用できない、あるいは自プロセスの情報取得のみに限定されます。また、ログイン中の利用者がわかるようなコマンドも実行できません。同一グループ内の利用者であっても、他の利用者の情報は取得できません。不便なこともあるかと思いますがご理解とご協力をお願いいたします。
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.8 メール転送

バッチジョブの終了通知などのメールはジョブを投入したログインノードに電子メールで通知されます。通知先はアカウント申請の際に記入していただいた連絡用メールアドレスではありませんのでご注意ください。この通知メールは利用者の方が普段使用されているメールアドレスに転送することをお勧めします。転送する場合は次の設定を ~/.forward に記述してください。
 \p11000
 p11000@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
1行目はSR16000にもメールを残す場合に必要です。バックスラッシュ(端末によっては円記号)に続けて自分のログイン名を記述してください。SR16000にメールを残す必要がない場合はこの行は不要です。2行目は転送先のメールアドレスです。任意のメールアドレスが設定できます。SR16000にメールを残した場合は mail コマンドで確認ができます。POPやIMAPなどメール取り込みのためのサービスはありません。
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.9 quota情報 (la コマンド)

SR16000 では、現在保有しているディスク使用量、4 月からの CPU 時間積算値などは、la コマンドを実行することで、確認できます。
ただし、表示される値については、システムが定期的に集計した結果を表示するため、最新の使用量 (CPU 利用実績) とは異なる場合がありますのでご注意ください。
 [p11000@yayoi-1 p11000]% la -d (ディスク使用量の確認)
 disk resource    user(p11000)
  file system     limit(MB)  occupied(MB)
  /home             512000         1
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.10 無入力打ち切り (autologout 機能)

SR16000 では、利用開始から連続 18時間を経過した場合、もしくは、2 時間操作をしなかった場合は、端末を強制終了いたします。警告メッセージは、強制終了される 30 分前より出力されます。
 Warning message from login manager at Sat Oct  1 12:40:00 2011
         *** Session autologout message ***
  Session pts/12 (p11000@yayoi-1) is not accessed; going logout in 30 minutes.
  Warning: If you input any string, autologout is canceled.
           Once logout time arrives, your jobs will be killed.
           Please prepare your jobs for logout.

 [[ 30 分前に警告メッセージが出力される。以降 10 分間隔で出力される ]]

 Warning message from login manager at Sat Oct  1 12:50:00 2011
         *** Session autologout message ***
  Session pts/12 (p11000@yayoi-1) is not accessed; going logout in 20 minutes.
  Warning: If you input any string, autologout is canceled.
           Once logout time arrives, your jobs will be killed.
           Please prepare your jobs for logout.

 Warning message from login manager at Sat Oct  1 13:00:00 2011
         *** Session autologout message ***
  Session pts/12 (p11000@yayoi-1) is not accessed; going logout in 10 minutes.
  Warning: If you input any string, autologout is canceled.
           Once logout time arrives, your jobs will be killed.
           Please prepare your jobs for logout.

 [[ 無入力時間が 2 時間になった時点で以下のメッセージを出力し、強制終了 ]]

 Warning message from login manager at Sat Oct  1 13:10:00 2011
         *** Session logout time has arrived ***
  Session pts/12 (p11000@yayoi-1) going logout IMMEDIATELY.

 Connection to yayoi-1 closed by remote host.
 Connection to yayoi-1 closed.
▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ

3.11 初期パスワードの変更

センターから発行された初期パスワードは、最初に SR16000 を利用するための鍵登録と、Web 経由で閲覧可能な利用者マニュアルを参照する場合に使用します。
鍵登録後 (SSHログイン完了後) にセンターから発行された初期パスワードを変更したい場合には、chuser_passwd コマンドを実行することで、変更することができます。passwd コマンドを実行しても、初期パスワードは変更されませんのでご注意ください。
 [p11000@yayoi-1 p11000]% chuser_passwd ← パスワード変更用コマンドの実行
 p11000 change password start

         << Password Policy >>
         8 characters or more
         Character complexity
           - at least one numeral character
           - at least one lower case character
           - at least one upper case character
           - at least one symbol

 NewPassword:                  ← 新しいパスワードを入力 (画面には表示されません)
 ReType NewPassword:           ← もう一度、新しいパスワードを入力 (画面には表示されません)
 Wait a moment ...             ← 登録までしばらくお待ちください

 [p11000@yayoi-1 p11000]%

パスワードの設定は 8 文字以上で英小文字と大文字、数字、記号をそれぞれ1文字以上含むようにしてください。
パスワード変更時に以下のようなエラーメッセージが出力された場合には、登録しようとしたパスワード文字列、文字数について修正のうえ再登録をお願いします。


エラーメッセージ対処方法
Error : Enter at least 8 characters. Please try again.パスワードが 8 文字未満の場合に出力されます。8 文字以上のパスワードを設定してください。
Error : New password must contain at least one numeral character (upper case character / lower case character / symbol).パスワードに数字(英大文字 / 英小文字 / 記号)を含めてください。
Error : Password incorrect. Please try again最初と 2 度目のパスワードが異なっている場合に出力されます。
You cannot try any more. Sorry.パスワード変更を 3 回以上間違った場合に出力されます。この場合、コマンドを終了します。

※ 上記のエラーメッセージが複数出力される場合があります。
  上記のエラーメッセージ以外が出力される場合がありますが、その場合は、表示されるメッセージに従い
  対処をお願いいたします。

▲ 第3章 ログインノードの使用 TOPへ