HOME > 研究会・イベント > シンポジウム > 東京大学情報基盤センター平成20年度公募型プロジェクト報告会 > 平成20年度公募型プロジェクト報告会アブストラクト

平成20年度公募型プロジェクト報告会アブストラクト

海洋大循環のマルチスケール連結階層モデリング

羽角 博康 (東京大学気候システム研究センター)

hasumi(at)ccsr.u-tokyo.ac.jp

 海洋循環は、水平1km以下のスケールで生じる対流や混合現象から、水平100,000kmスケールに及ぶ全地球規模循環までの間で、様々なスケールを持つ現象の相互作用の結果として形成されている。 海洋循環の形成や変動のシミュレーションは、数十年から場合によっては数千年という時間スケールを対象としており、全海洋を一様に1km程度の解像度で表現しつつそれを実施することは10年程度の将来を見越しても不可能である。 大循環の形成という視点から見た場合、小規模スケール現象が重要となる領域は限定されているため、適切な連結階層化によるシミュレーションが可能であり、また必要とされる。 特に、我々が現在直面する地球温暖化という全地球規模の長期気候変動において、海洋がいかなる役割を果たすのか、そしていかに変化して人類社会にいかなる影響を及ぼすのかを知る上で、 そのようなシミュレーションシステムの構築は必須である。