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平成20年度公募型プロジェクト報告会アブストラクト

超並列計算によるマルチスケール・マルチフィジックス心臓シミュレーション

久田 俊明 (東京大学大学院新領域創成科学研究科)

hisada(at)mech.t.u-tokyo.ac.jp

 当研究チームでは、細胞イオンチャンネルや収縮タンパクの数理モデルから出発し有限要素法でモデル化された心室の収縮、血液の拍出に至る現象を一貫して再現できる国際的にも突出した心臓シミュレータ、 UT-Heartの開発を行ってきた。一方、有限要素法に基づく心筋細胞も並行して開発しており、両者を組み合わせることでシームレスなマルチスケール・マルチフィジックスシミュレータを開発中であり、 最終的には数十万個の細胞を用いたマルチスケールシミュレーションを行なうことを目指している。これまでに、規模を縮小した心臓モデルと6144個の細胞モデルを用いたマルチスケールシミュレーションを東大T2K6144コアを用いて実施し、 非常に良好なスケーラビリティを得ている。今後、UT-Heartをさらに高速・高精度化することにより、基礎医学や創薬への貢献が可能であると考えている。