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平成20年度公募型プロジェクト報告会アブストラクト

地球ダイナモの新しいシミュレーションコード開発とその応用

陰山 聡 (神戸大学大学院工学研究科)

kage(at)cs.kobe-u.ac.jp

 地球ダイナモの物理機構解明を目指した我々の大規模シミュレーションについて報告する。地球ダイナモとは、地球の内部で起きている発電効果である。 地球の中心部分、コアと呼ばれる領域は鉄でできており、その大部分は高温のために融けている。この液体状の鉄が対流運動することで (電磁誘導作用を通じて)莫大な量の電流が今この瞬間にも生まれている。その電流がほぼリング状に流れているために地球は双極子磁場に覆われ、 地表のコンパスは北を指す。地球ダイナモの詳しい物理機構は未だ解明されていない。直接観測ができないので、計算機シミュレーションがその重要な研究手段である。 コアの大きさと液体鉄の粘性率から考えると、コアの対流は乱流状態になっているので、必然的に地球ダイナモのシミュレーションは大規模な計算が要求される。 本講演では、我々が行っている世界最高解像度での地球ダイナモシミュレーションの最近の結果と、それを実現するためのシミュレーション技術上の工夫、 並列可視化プログラムの開発等について紹介する。