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平成20年度公募型プロジェクト報告会アブストラクト

数値モデルによる海洋微小スケールプロセスの解明

松村 義正 (東京大学気候システム研究センター)

ymatsu(at)ccsr.u-tokyo.ac.jp

 地球の気候形成に大きな影響力を持つ全球規模の海洋循環は、乱流混合や局所的な重力流といった時間的・空間的に小さいスケールの現象によって駆動・維持されている。 我々はこれら海洋微小スケールプロセスを陽に表現できる非静力学海洋モデルを開発し、広い領域かつ長い積分時間で高解像度の数値実験を行うことにより、 微小スケールプロセスがより大規模な循環場に与える影響を定量的に評価すべく研究をおこなっている。


 本講演ではまず開発した数値モデルで用いたPoisson方程式解法の詳細と大規模並列化時におけるパフォーマンスを報告し、 続いて当モデルを用いて行った南極大陸沿岸で高密度水が海洋深層へ沈み込む過程に関する数値実験の結果を紹介する。 実験の結果から深層水形成の量や場所には幅数km程度の小規模な海底地形の起伏が極めて重要な役割をになっている事が確認された。