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平成20年度公募型プロジェクト報告会アブストラクト

企業間取引の大規模ネットワーク構造からみた企業の特徴

大西 立顕 (東京大学大学院法学政治学研究科)

ohnishi(at)sat.t.u-tokyo.ac.jp

 日本企業約100万社の取引関係・企業属性データを、各ノード(企業)が多変量情報を持つ100万ノード・400万リンクの有向ネットワークとして分析した。PageRank・オーソリティ度・ハブ度と企業サイズ・成長率との関係性を明らかにし、 さらに、ネットワーク中で統計的有為に出現する部分グラフ(特徴的な三体相互作用を表わすネットワークモチーフ)を抽出し、ボトムアップ的構造を見出した。これらは、単独の企業情報のみからでは得られない、 企業間のモノ・資金の流れからみてはじめて捉えられる特徴であり、企業成長・衰退のシステム的理解、企業の健全性の把握、連鎖倒産のリスク評価において重要な指針になるものである。