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平成20年度公募型プロジェクト報告会アブストラクト

実対称固有値問題に対する多分割の分割統治法の分散メモリ型並列計算機への実装

田村 純一 (埼玉大学大学院理工学研究科)

s08mm318(at)mail.saitama-u.ac.jp

 実対称固有値問題の最新数値解法の一つである多分割の分割統治法(DCK)が最近提案されている。DCKは二分割の分割統治法(DC2)を拡張して分割数k>2で分割できるようにした解法であり、 kを大きくすることでDC2のアルゴリズム中演算量が最大の行列積を削減できる点が特徴である。本解法は既に共有メモリ型並列計算機向けに実装されており、 そこで我々は分散メモリ型並列計算機向けの並列化手法を提案し実装を行った。本提案には固有ベクトルの再直交化など並列化が自明でない計算を含む。若手利用者推薦制度の下で坪谷が同内容をH20年度前期に取り組んでおり、 今回はその後の進展を報告する。HA8000で二分法・逆反復法(BII)とDC2を対象に計算時間を比較したところ、予備的な結果だが、deflationが少ない場合はDCKが最も速く、BII、DC2の順に続くという結果を得た。 またdeflationが多い場合はDC2が速く、BIIとDCKがそれに続いている。