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第5章 ログインノードの使用
5.1 概要
利用者は FX10 スーパーコンピュータシステムを利用する作業はログインノードで行います。本章ではログインノードを使用するにあたって重要なコマンドの使い方、ログインノードで使用できるソフトウェアについて紹介します。
5.2 シェルの種類
ログインノードでは標準で bash が設定されています。本章ではすべて bash を前提に説明します。ログインシェルは chsh コマンドで変更可能です。変更可能なログインシェルについては以下をご覧ください。
/bin/bash 、/bin/tcsh 、/bin/zsh |
5.3 初期設定ファイル
ログイン時に一回だけ実行されるスクリプトが ~/.bash_profile です。このファイルに設定を書き込むことでユーザ独自の環境を自動的に設定できます。通常、コマンドサーチパスを設定する環境変数PATHの設定をカスタマイズしたり、シェルの動作をカスタマイズするためのシェル変数をセットしたりします。~/.bash_profile で設定することの多い重要な環境変数は次の2種類です。
-
PATH
コマンドを探すディレクトリを設定します。自分のホームディレクトリにソフトをインストールした場合はインストール先にPATHを通すと便利な場合があります。 -
LD_LIBRARY_PATH
動的ライブラリの検索対象ディレクトリを設定します。自分のホームディレクトリにライブラリをインストールした場合、設定が必要な場合があります。
ただし、いずれの環境変数もシステムデフォルトの値を消してしまわないように注意が必要です。
- センター初期値は、/etc/skel ディレクトリにあるファイルをコピーするか参考にしてください。
- 日本語設定を標準値以外 (ja_JP.eucjp / japanese.euc / ja_JP.ujis) に設定した場合、利用支援ポータルを使用する場合にエラーとなることがあります。設定を初期値 (ja_JP.utf8) 以外に変更しないでください (あるいは、利用支援ポータルご利用時には、初期値に戻してからご利用ください)。
5.4 ログインノード利用上の注意点
ログインノードは FX10 スーパーコンピュータシステムを利用する多くのユーザで共有する資源です。システムに高負荷をかけるような作業、並列化されたプログラムの実行や並列でのプログラムコンパイルはご遠慮ください (利用者の皆様が快適にご利用頂けるようご配慮ください)。これは同時に複数のターミナルからログインすることを禁止するものではありません。
特に暴走してCPUを浪費しているだけのプロセスを残さないようにご注意ください。ログインノードでプログラムが正常終了しない場合、フォアグラウンドで実行している場合は Ctrl + C でプログラムを停止できます。バックグラウンド実行の場合は ps コマンドでそのプロセスのプロセスIDを調べ、kill コマンドを実行します。
[z30000@oakleaf-fx-1 ~]$ ps PID TTY TIME CMD 8429 pts/2 00:00:00 bash 8431 pts/2 00:00:00 a.out 8433 pts/2 00:00:00 ps 11176 pts/2 00:00:00 bash [z30000@oakleaf-fx-1 ~]$ kill 8431
ただし、この方法のkillはプログラムによって拒否されることがあります。どうしても強制終了が必要な時は kill コマンドに -KILL オプションを付けます。また、プロセス番号の -1 は自分に権限の及ぶ全プロセスを意味します。大量のプロセスが暴走を始めた時など、マシン上の自分の全プロセスを緊急強制終了する必要がある場合は次のコマンドを入力します。これを実行した場合は暴走プロセスのみならず、ログインシェルも終了するので、強制ログアウトとなります。また、すべてのプログラムが直ちに強制終了となるので終了処理が定義されているプログラムであっても終了処理は実行されません。
[z30000@oakleaf-fx-1 ~]$ kill -KILL -1
5.5 独自アプリケーションのインストール
システム標準のアプリケーションの他、利用者が自分でインストールしたプログラムも実行可能です。ホームディレクトリ (共有ファイルシステム)、外部ファイルシステムは計算ノードとも共有されているのでログインノードでインストール作業を行い、バッチジョブからそれを使用することもできます。ユーザーディレクトリにプログラムをインストールする際に特別な連絡をセンターにいただく必要はありません (ライセンス管理等には十分ご注意ください)。
5.6 メール転送
バッチジョブの終了通知などのメールはジョブを投入したログインノードに電子メールで通知されます。通知先はアカウント申請の際に記入していただいた連絡用メールアドレスではありませんのでご注意ください。この通知メールは利用者の方が普段使用されているメールアドレスに転送することをお勧めします。転送する場合は次の設定を ~/.forward に記述してください。
¥z30000 z30000@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
1 行目は FX10 スーパーコンピュータシステムにもメールを残す場合に必要です。バックスラッシュ (端末によっては円記号) に続けて自分のログイン名を記述してください。FX10 スーパーコンピュータシステムにメールを残す必要がない場合はこの行は不要です。
2 行目は転送先のメールアドレスです。任意のメールアドレスが設定できます。FX10 スーパーコンピュータシステムにメールを残した場合は mail コマンドで確認ができます。POPやIMAPなどメール取り込みのためのサービスはありません。
5.7 無入力打ち切り (autologout 機能)
FX10 スーパーコンピュータシステムでは、利用開始から連続 24 時間を経過した場合、もしくは、2 時間操作をしなかった場合は、端末を強制終了いたします。警告メッセージは、強制終了される 30 分前より出力されます。
[z30000@oakleaf-fx-1 ~]$ ***** Auto-logout WARNING MESSAGE (21:30:03 Sat 9 Jun. 2012) ***** 30 minutes before your session pts/0 (z30000@oakleaf-fx-1) expires. To resume auto-logout, hit any key. When your session expires, your processes will be killed by the system administrator. ***** Auto-logout NOTICE MESSAGE (23:10:03 Sat 9 Jun. 2012) ***** Your session pts/0 (z30000@oakleaf-fx-1) has been expired. Your session and processes have been killed by the system administrator. Connection to oakleaf-fx-1 closed.
5.8 初期パスワードの変更
センターから発行された初期パスワードは、最初に FX10 スーパーコンピュータシステムを利用するための鍵登録時 (利用支援ポータルにログインする) 際に必要です。
初期パスワードは利用支援ポータルで変更可能です。ただし、以下の制限がありますのでご注意ください。
- 8文字以上の文字列を指定してください。
- 現在のパスワードと3文字以上異なる文字列を指定してください。
- 1つ以上の英字小文字、1つ以上の英字大文字、1つ以上の数字、1つ以上の特殊文字を指定してください。
- 使用可能な特殊文字は以下の通りです。
空白、!、"、#、$、%、&、'、(、)、*、+、,、-、.、/、:、;、<、=、>、?、@、[、\、]、^、_、`、{、|、}、~ - Linux の辞書に登録されている文字は使用できません。
- 全角文字は使用できません。

