HOME > 利用者支援 > FAQ > SR11000 FAQ

SR11000 FAQ

システム全般、サービス内容


SR11000 のハードウェア性能について教えてください。
主な諸元は以下の通りです。詳しくは、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」をご覧ください。


・Node 数 128(16CPU/Node)
・1 CPU 当りの理論演算性能 9.2 GFlops
・1 Node 当りの理論演算性能 147.2 GFlops
・1 Node 当りの主記憶容量 128 GB


SR11000 の OS について教えてください。
SR11000 の OS は AIX 5L です。

利用できるソフトウェアは何がありますか。
コンパイラ、数値計算ライブラリが使用できます。詳しくは、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」をご覧ください。

主なソフトウェア
・最適化 FORTRAN77 / 最適化 FORTRAN90
・最適化 C / 最適化標準 C++(ANSI/ISO C++ 1998 準拠 および ARM 仕様対応)
・MPI / 一般的非経験分子軌道計算プログラム Gaussian03
・行列計算副プログラムライブラリ MATRIX/MPP
・行列計算副プログラムライブラリ スカイライン法 MATRIX/MPP/SSS
・数値計算副プログラムライブラリ MSL2


利用できるディレクトリが複数あるようです。それぞれの特徴等はありますか。
利用者が利用できるディレクトリと特徴は以下の通りです。詳細については、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」の 5.ファイルとディレクトリーまたは、SR11000 のファイルシステムについてをご覧ください。


・/batch/ログイン名 ホームディレクトリ。
・/short/ログイン名 短期利用のディレクトリ。5 日間で削除される。
・/para-io/ログイン名 短期利用のディレクトリ。5 日間で削除される。NQS からのみ書込可。
・/tmp 一時利用。
・/gpfs/ログイン名 AIX 標準ファイルシステム。5 日間で削除される。要申込 (※)。


※ /gpfs/ログイン名の利用をご希望の場合は利用者番号を記入の上、受付(受付のメールアドレス)までメールしてください。


現時点での CPU 時間を調べるにはどうしたら良いでしょうか。
CPU 時間は下記の la コマンド(list account の略)で制限値(無制限)、使用量(合計と今月分)、残り時間が確認できます。 また -a オプションを付けることで使用ディスク量(制限値、使用量)、設定コースも調べることができます(以下は 2009 年 8 月現在の表示例です。 今後変更になる場合があります。)
 % la -a

 cpu resource for p07000  (HH:MM:SS)
   system      limit(hour)                used(this month)           remain
  SR11000       2147483647        63:53:10(      19:01:41) 2147483583:06:50
 Course name for p07000
  personal 4
 disk resource    user(p07000)
  file system     limit(MB)  occupied(MB)
  /batch             10240       7029
なお、表示される値は 1 日に 2 回反映しているもので、待ち行列にあるジョブや実行中のジョブについては含まれていません。

" .... command not found "というメッセージが出て、コマンドを受け付けない。
センターでは、システムへの登録時に、コマンドパス等を設定する .cshrc や.login ファイルをホームディレクトリに作成しています。このファイルを削除したり、中の記述がおかしくなってしまうと、正しい設定が行われなくなり、標準的なコマンドも使えなくなってしまうことがあります。この .cshrc や .login といったファイルの標準的なものは、/usr/local/skel にあり、各自で適宜コピーし回復することができます。

"KCHF903R write error occurred on unit id xx due to lack of file area. the maximum size of file system area(/batch) is yy byte."というメッセージが出て、計算が止まってしまいます。
SR11000のファイルシステムは、いくつかのサブディスクから構成されており、それぞれのサブディスクにファイルが書き込まれています。disk full になってしまったサブディスク上のファイルに追記しようとすると空き容量が足りないため、このようなエラーが出ます。回避方法としては、ファイルを一旦別名で copy しますと、copy 先のファイルは空き容量の大きいサブディスクに割り振られますので、copy 先のファイルは保存可能となります。

nslookup や traceroute を実行すると" Permission denied "となる。w や ps ax と入力したときに、自分以外のプロセスが見あたらないのですが。
管理者用のコマンドについては、一般利用者は実行できないように設定してあります。また ps, w 等のシステムの状態を表示するコマンドについては、システム管理者以外の一般ユーザーが使った場合、本人に関係する情報のみを表示するように設定してあります。

利用者番号間でファイルを譲渡したいがどうしたらよいでしょうか。
UNIX 系はサブディレクトリを含む場合は、個別共有関係の設定ができないため、tar のようなアーカイバと、外部媒体を利用するのが容易です。グループコースの場合は、標準ではグループ内の利用者番号間では参照可能となっています。

計算リソース追加オプションで利用できるキューについて教えてください。
通常の NQS ジョブより制限時間が長く設定されており、利用する人数も制限されているため、NQS ジョブの実行がしやすくなっています。利用するためには、利用見込額の設定等が必要です。詳細は、計算リソース追加オプションをご覧ください。

計算リソース追加オプションに申し込みたいのですが、どのように金額を記入すればよいのでしょうか。
センターの利用負担金は定額制ですので、利用申込書の利用負担金額に記入された利用負担金額合計が請求金額になります。計算リソース追加オプションについては、利用負担金見込額となっているように、Web から利用申込をした時点で請求対象となります。ここにあらかじめ金額を記入いただくと、支払責任者が支払いの限度額を承認したものとして、Web 申込の際に、あらためて支払責任者の印をもらって書類を提出していただく必要がありません。

計算リソース追加オプションを利用して、夏季に集中して計算したいと考えていますが、学校行事の都合で計算機が利用できないことがあるかもしれません。その場合に、利用負担金見込額に記入した金額は請求されますか。
Web による利用申込をした時点で請求対象となりますので、利用負担金見込額を記入しただけでは、請求されません。

Web による計算リソース追加オプションを申し込みたいのですが、申し込みをして利用負担金を請求されてから、利用しなかった場合はどうなりますか。
申し込みが完了した場合には取り消しできません。ご利用されなくても請求しますので、ご注意ください。

▲ SR11000 FAQ TOPへ


Fortran


% a.out と入力したが、実行できません。
a.out の前に ./(ピリオド、スラッシュ)を入れてください。以下の例を参考にしてください。


% f77 test.f (コンパイル)
% ./a.out (実行)


Fortran プログラムで長い名前の変数を使いたい。
FORTRAN77 プログラムでの変数名の長さはセンターの標準では 8 文字以内に制限されています 9 文字以上の変数名及び外部手続き名を使用する場合は、コンパイルオプション -i,U を指定してください。(-i,U は、外部手続きの名称中の_(アンダースコア)及び 31 文字までの外部手続き名称を許すオプションです。) Fortran90(f90)ではこの制限はありません。


% f77 -i,U a.f


Fortran プログラムが "segmentation fault" で終わる。コンパイルオプションによって結果が異なる。
配列の宣言範囲を超えて使用している関数・サブルーチンの引数の個数・型が不一致であることが考えられます。プログラムを確認してください。-debug オプションで原因がわかる場合があります。

要素並列プログラムにおいて、サブルーチンをスレッドセーフコンパイルをするために *option mp(p(0),langlvl(save(0)) と記述したのですが、サブルーチン内部も要素並列化されてしまっています。なぜでしょうか?
OPTION パラメタの記述が規則に則っていない可能性があります。詳細は以下の日立発行のマニュアルの「OPTIONパラメタ」を参照してください。


・SR11000 最適化 FORTRAN90 使用の手引(3000-3-C22)
・SR11000 最適化 FORTRAN77 使用の手引(3000-3-C24)


マニュアルの閲覧については、SR11000マニュアルWeb閲覧サービスのお知らせをご覧ください。


Fortranプログラムのチューニングをしたいのですが。
性能モニタ情報や、コンパイルログメッセージを出力することができます。コンパイルオプション -pmpar,-pmfunc,-loglist を使用します。 チューニングの詳細については「ベクトル並列型スーパーコンピューター SR11000 チューニングガイド」 (冊子版または認証付きマニュアル Web 閲覧による参照)をご覧ください。

プログラムの実行が遅いのですが。
最適化、要素並列化が効いてないかもしれません。-loglist オプション等を使用してコンパイル診断メッセージを確認してください。またプログラムによっては、最適化が性能を劣化させる場合もあります。この場合、一部の最適化オプションを抑止してコンパイルしてください。 詳細は以下の日立発行のマニュアルの「最適化による副作用」を参照してください。


・SR11000 最適化 FORTRAN90 使用の手引(3000-3-C22)
・SR11000 最適化 FORTRAN77 使用の手引(3000-3-C24)


マニュアルの閲覧については、SR11000マニュアルWeb閲覧サービスのお知らせをご覧ください。


OPTION パラメタの前後の行に、コメント行または空白行を入れる方法はあるでしょうか。
-COMOUT オプションを指定してコンパイルすることにより、OPTIONパラメタの前後の行に、コメント行または空白行を入れることが可能となります。詳細は以下の日立発行のマニュアルの「コンパイラの起動」を参照してください。


・SR11000 最適化 FORTRAN90 使用の手引(3000-3-C22)
・SR11000 最適化 FORTRAN77 使用の手引(3000-3-C24)


マニュアルの閲覧については、SR11000マニュアルWeb閲覧サービスのお知らせをご覧ください。


▲ SR11000 FAQ TOPへ


C・C++


C++ の STL(標準テンプレートライブラリ)は使用できますか。
使用できます。以下のように指定してください。

64 ビットモードでコンパイルする場合
 % sCC sample.cpp -I/opt/STLport-4.6.2/stlport -L/opt/STLport-4.6.2/lib64 -lstlport_sCC -lm
32 ビットモードでコンパイルする場合
 % sCC -32 sample.cpp -I/opt/STLport-4.6.2/stlport -L/opt/STLport-4.6.2/lib -lstlport_sCC -lm


▲ SR11000 FAQ TOPへ


ライブラリ


使用できる数値計算ライブラリにはどのようなものがありますか。また、それぞれどのようにすれば使用できますか。
以下のライブラリが用意されています。使用方法に関しては以下の日立発行のマニュアル、または「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」をご覧ください。


・行列計算副プログラムライブラリ MATRIX/MPP
  - SR11000 行列計算副プログラムライブラリ MATRIX/MPP(3000-3-C87)
・行列計算副プログラムライブラリ スカイライン法 MATRIX/MPP/SSS
  - SR11000 行列計算副プログラムライブラリ 疎行列解法 MATRIX/MPP/SSS(3000-3-C88)
・数値計算副プログラムライブラリ MSL2
  - SR11000 数値計算副プログラムライブラリ MSL2 行列計算(3000-3-C83)
  - SR11000 数値計算副プログラムライブラリ MSL2 関数計算(3000-3-C84)
  - SR11000 数値計算副プログラムライブラリ MSL2 統計計算(3000-3-C85)
  - SR11000 数値計算副プログラムライブラリ MSL2 操作  (3000-3-C86)
・BLAS(Basic Linear Algebra Subprogram)
・LAPACK(Linear Algebra PACKage)
・ScaLAPACK(Scalable Linear Algebra PACKage)


MATRIX/MPP を使用したプログラムがコンパイルできない。
以下の 2 点にご注意ください。

1. コンパイルオプションの位置
 ld: 1012 error : Undefind symbol: .HDFT2M
 -lmatmpp はオプションの一番最後に指定してください。
 % f90 -parallel program.f -lmatmpp
2. 要素並列オブジェクトの作成
 ld: 1012 error : Undefind symbol: _h_comp_link_var
 ld: 1012 error : Undefind symbol: _h_total_ip_num
 -parallel を指定してください。(要素並列オブジェクトのリンク)
 % f90 -parallel program.f -lmatmpp
 スカラー版を利用する場合は以下の指定をしてください。
 % f90 program.f -lmatmpp_sc


MSL2 を使うにはどうしたらよいですか。
日立提供のライブラリとしては、MSL2 及び MATRIX が、マニュアルに記述された標準的な形態で登録してありますので、マニュアルの記述どおりに利用することができます。センターでは f90、f77 コマンドを用いてリンクする場合、-L オプションの指定は必要ありません。


% f90 ... -lMSL2 ...


詳細は「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」をご覧ください。


Gaussian のバージョンを教えてください。
Gaussian03 Revision E.01 です。

Gaussian を利用しています。何か注意すべき事柄はありますか。
Gaussian については「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編- 付録 D Gaussian03 の使い方」(PDF)または、Gaussian03の利用についてをご覧ください。

Gaussian を Node 間並列した実行をすることはできますか。
本センターの Gaussian は要素並列版です。Node 間並列した実行はできません。

Gaussian を使っていますが、PC と同じくらいの速さでしかないです。なぜでしょうか。
本センターの Gaussian は要素並列版ではありますが、スカラー処理が大部分を占めるような計算の場合、1 プロセッサ(1 Node の 1/8 または 1/16)程度の性能で処理するため、PC と同程度であることも考えられます。

▲ SR11000 FAQ TOPへ


NQS


NQS とはなんですか。
インタラクティブ (TSS) 処理と異なり、実行する処置を一括でシステムに登録、実行する機能です。インタラクティブ処理より大容量メモリ、長時間実行、複数 CPU・Node の利用が可能です。

NQS にジョブを投入したいのですが、投入方法がわかりません。
バッチスクリプトを記述して、qsub コマンドでジョブを投入します。詳細については、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」の 9.NQS ジョブ(バッチジョブ)をご覧ください。
バッチスクリプトの例

 % vi バッチスクリプト名


記入例 説明
#!/bin/csh
#@$-q parallel
#@$-N 4
#@$-lT 1:00:00
#@$-lM 112GB
cd ~/work
./program < in.date > out.data

パイプキュー名
Node 数
実行時間制限値
メモリサイズ制限値
cd ディレクトリ
プログラム名 < 入力ファイル > 出力ファイル

 % qsub バッチスクリプト名


バッチスクリプトで指定できるオプションにはどのようなものがありますか。
Node 数、メモリサイズ、制限時間等が指定できます。詳細については、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」をご覧ください。

ジョブクラスにはどのような種類がありますか。
ジョブクラスの概要については、以下を参照してください。詳細については、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」をご覧ください。また、ジョブクラス制限値については、「ジョブクラス」をご覧ください。

スカラージョブクラス single(A,B,C,D)
スカラープログラムを実行するジョブクラスです。ジョブの実行時間(経過時間)でジョブクラス分けをしています(要素並列ジョブ、複数ノードを使用するジョブの実行はできません)
並列ジョブクラス
8CPU/Node 用 S1,S4,H1
16CPU/Node 用 parallel (P001,P004,P008,P016,P064),debug,Q001,Q004,Q008


並列ジョブクラスは、要素並列プログラムの実行及び複数ノードを使用するジョブの実行を行うジョブクラスです。1 Node あたりの CPU 数、使用ノード数と実行時間(経過時間)でクラス分けをしています。 Q001 ~ Q008 は計算リソース追加オプションの申し込みが必要です。P064 は大規模ジョブ実行サービスとして、月に 1 回(原則として最終金曜日午後~翌月曜日朝) パーソナルコース 4 またはグループコース 2 の利用者が実行可能です。


複数の NQS ジョブを投入することはできますか。
1ユーザーの投入可能なジョブ数は 8 です。なお、NQS ジョブの投入数が 8 を超過した場合は、以下のメッセージが表示され、ジョブは投入されません。


Request limit exceeded to queue request at local host.
Retry later.


投入した NQS ジョブを確認する方法を教えてください。
qstat コマンドで確認することができます。
 % qstat
 2009/08/17 (Mon) 10:15:25:    REQUESTS on SR11000
 NQS schedule stop time : 2009/08/28 (Fri)  9:00:00 (Remain: 262h 44m 35s)
    REQUEST      NAME      OWNER      QUEUE     PRI NICE   CPU    MEM    STATE
 203165.n121    test1.sh   p07000     P001      63  0   unlimit   112GB  RUNNING
 203249.n121    test2.sh   p07000     P001      60  0   unlimit   112GB  QUEUED
 203250.n121    test3.sh   p07000     P001      59  0   unlimit   112GB  QUEUED
※ 実行中の NQS ジョブは、STATE が RUNNING に、実行待ち状態は QUEUED と表示されます。

投入した NQS ジョブを kill するにはどうしたらよいですか。
qdel コマンドで NQS ジョブを削除します。例えば、リクエスト ID 203165.n121 を削除する場合は次のように指定します。
 % qstat
 2009/08/17 (Mon) 10:15:25:    REQUESTS on SR11000
 NQS schedule stop time : 2009/08/28 (Fri)  9:00:00 (Remain: 262h 44m 35s)
    REQUEST      NAME      OWNER      QUEUE     PRI NICE   CPU    MEM    STATE
 203165.n121    test1.sh   p07000     P001      63  0   unlimit   112GB  RUNNING

 % qdel 203165
また、以下のようにリクエスト ID を複数指定することも可能です。
 % qdel 203165, 203249, 203250

NQS ジョブが実行されません。
投入されたジョブのうち、システム停止予定時刻(計画停止時刻)までに終了しないジョブについては実行しないよう設定しています。停止時刻直前まで実行するためには、実行時間制限値(#@$-lT)で NQS ジョブの終了が計画停止時刻を超えないよう指定してください。計画停止時刻と残り時間は qstat コマンドで確認することができます。
 % qstat
 2009/08/17 (Mon) 10:15:25:    REQUESTS on SR11000
 NQS schedule stop time : 2009/08/28 (Fri)  9:00:00 (Remain: 262h 44m 35s)
※ NQS ジョブの実行が終了する日付、時刻 (残り時間) が表示されています。月末処理などのシステム停止前には、残り時間等をご確認ください。

複数の NQS ジョブを実行することはできますか。
同じ Queue で実行できる NQS ジョブは 1 本です。なお、別々の Queue の場合は、同時に 2 本まで NQS ジョブを実行することができます。

NQS ジョブが長時間待たないと実行されません。
本センターでは利用者の皆様に公平な計算機資源の提供を行うため、ジョブスケジューリングシステムを導入しています。本システムは、実行済みの NQS ジョブで使用した CPU の使用量等から NQS ジョブ実行の優先順位を決定しています。そのため、既に CPU 時間を大量に使用していた場合、他の NQS ジョブの方が優先順位が高くなっている場合があり、実行まで長時間待つ場合があります。詳細は、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編- 付録 F ジョブスケジューリングシステムについて」(PDF)またはジョブスケジューリングシステムについてを参照してください。

NQS ジョブの実行順位が知りたいのですが。
qstat コマンドの "PRI" 値で確認することができます。優先順位(PRI 値)の最大は 63 で、0 まで各 NQS ジョブに順位付けを行い、順位の高い NQS ジョブから順に実行されます。 そのため、自分の NQS ジョブの PRI 値を確認することで、実行順位を調べることができます。詳細は、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編- 付録 F ジョブスケジューリングシステムについて」(PDF)を参照してください。


例)下記の場合、999999.n121 の PRI 値は 62 なので、2 番目となります。

 % qstat
 2009/08/17 (Mon) 10:15:25:    REQUESTS on SR11000
 NQS schedule stop time : 2009/08/28 (Fri)  9:00:00 (Remain: 260h 00m 05s)
    REQUEST      NAME      OWNER      QUEUE     PRI NICE   CPU    MEM    STATE
 999999.n121     test.sh   p07000     P001      62  0   unlimit   112GB  QUEUED

ジョブが途中で終了してしまいます。配列を大きくしたら動かなくなりました。
インタラクティブ、NQSジョブ の各キューに応じて、E-TIME、メモリなどのリソースを制限していますので、その制限を越えるジョブは流せません。特に、インタラクティブ環境では、メモリの制限が厳しく制限していますので、大きなメモリを必要とする場合には NQS ジョブを利用してください。各キューにおける制限値は、「ジョブクラス」をご覧ください。

インタラクティブ処理の場合の CPU 時間の制限値はどれくらいですか。
インタラクティブ実行の制限値は(経過時間で)18 時間です。また、2 時間以上無入力状態が継続する場合は、システムが自動的にキャンセルします。長時間実行する場合には NQS ジョブを利用してください。

メモリをどれだけ使えますか。
インタラクティブ処理では標準で 512MB、最大で 1GB です。NQS ジョブで時は、single キュー(A~D)は標準で 2GB、最大で 56GB です。Node 専有キューでは 1 Node 当たりで使用可能なメモリの最大値は、 S1、S4、H1キュー(8CPU/Node のキュー)では 56GB です。P001 ~ P064、debug、Q001 ~ Q008キュー(16CPU/Node のキュー)では 112GB です。NQS ジョブでは、#@$-lM 値 MB または GB で指定します(single キュー以外では通常指定する必要はありません。 最大値が仮定されます)。single キューでは最大値以下を指定してください(この値を越えていると、目的のキューに投入されません)


バッチスクリプト内での指定例
#@$-lM 8GB


また、インタラクティブ処理の場合、datasize が 512MB に標準設定されていますので、必要に応じて limit コマンドで上限値を変更してください。


% limit datasize 768M


NQS ジョブを投入したところ、以下のようなメッセージが返ってきて、ジョブが投入できません。
No suitable queue found.
reason: ……
制限時間、メモリ容量等の指定がキューの制限値を超えていると思われます。この場合、上記メッセージを出力し、NQS ジョブは投入されません。ジョブクラス毎の制限値を超えないよう指定してください。

NQS ジョブが "killed" または "no more process" で終わってしまいます。
メモリ不足が考えられます。#@$-lM でメモリを拡張してください。single キュー以外では #@$-lM を削除してください。

▲ SR11000 FAQ TOPへ


並列処理


要素並列実行とは何ですか。
要素並列化機能とは 1 Node 内(16 または 8 プロセッサ)の複数プロセッサを並列に利用してプログラムを実行させる機能です。コンパイルオプションやソースプログラム中の指定によりコンパイラが要素並列化オブジェクトを作成します。実行はバッチジョブ(singleキュー以外)で行ないます。

コンパイル例
 % f90 -parallel program.f
  ※リンク時にも-parallelの指定が必要です。
 % f90 -parallel program.o object.o


詳細は日立発行のマニュアルを参照してください。
・SR11000 最適化 FORTRAN90 使用の手引(3000-3-C22)
・SR11000 最適化 FORTRAN77 使用の手引(3000-3-C24)
・SR11000 最適化 C 使用の手引(3000-3-C32)
・SR11000 最適化標準 C++ 使用の手引(3000-3-C33)


ノードの専有、共有とは何ですか。
SR11000 システムでは複数の利用者で 1 Node を共有する「ノード共有」と、1 利用者が 1 Node を専有する「ノード専有」の 2 通りの利用形態があります。ノード専有の場合は要素並列ジョブ、ノード内並列ジョブの実行が可能です。

ノード共有となる場合
 ログインセッション sr11000-s
 バッチジョブ single(キューA~D)
ノード専有となる場合
 バッチジョブ parallel(キューP001~P064)、S1、S4、H1、debug、Q001、Q004、Q008


sr11000-s での並列ジョブの実行ができますか。
インタラクティブでは並列ジョブの実行はできません。NQS ジョブをご利用ください。

MPI は使えますか。使い方を教えてください。
並列プログラミングのための MPI は、メーカーから提供されており、利用可能です。詳細については、「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」11. 並列アプリケーションを参照してください。特に、コンパイル・リンク時に必要な指定が省略できるように、mpif77、mpif90、mpicc、mpiCC の各コマンドが用意されていますので、こちらをご利用ください。

MPI のプログラムを動かしたいのですが。
コンパイルコマンドは mpif77、mpif90、mpicc、mpiCC、実行コマンドは mpirun を使用してください。mpirun の実行ノード数は、ジョブスクリプトで指定したノード数が使用され、-n オプションは無効となります。 また、実行プロセス数はジョブスクリプトのノード数とジョブタイプで決定され、-np オプションは無効となります。ジョブタイプに SS を指定すると、プロセス数はノード数の CPU 数倍(8 または 16)となります。 ジョブタイプに Tn を指定すると、1 ノード当りのプロセス数が n 個となります。ジョブタイプを指定しない場合はプロセス数はノード数と同じ値となります。


例 1)
 #@$-q parallel
 #@$-N 4
 mpirun ./a.out → 4 ノード 4 プロセスで実行します。
例 2)
 #@$-q parallel
 #@$-N 4
 #@$-J SS
 mpirun ./a.out → 4 ノード 64 プロセスで実行します。
例 3)
 #@$-q parallel
 #@$-N 4
 #@$-J T5
 mpirun ./a.out → 4 ノード 20 プロセスで実行します。


NQS におけるプロセス数の指定についても参照してください。


▲ SR11000 FAQ TOPへ


その他


他サイトでコンパイルしたプログラムがエラーで終了します。
本センター以外のマシンでコンパイルしたプログラムの実行については、ソフトウェアのバージョンや環境等の違いにより正常に動作しない可能性があります。本センターにてコンパイルを行い、実行するようにしてください。

WS で動いていた Fortran プログラムを動かしたい。コンパイルしてみると、膨大な量のメッセージが出てきた。
WS から移植する際の代表的なコンパイルエラーの例及び原因と対処法は次のとおりです。コンパイルメッセージを見て対応をお願いします。
8 文字より長い変数名を使っている。
コンパイルオプション -i,U を指定してください。
「原始プログラム中に許されない文字が現れました」
?、!、$、" などの特殊文字が使われている場合は言語仕様の拡張が必要です。コンパイルオプション -i,P や -i,{E,N},LT を指定してください。また、注釈以外での漢字コードはシフト JIS コードを使用してください。
「分類不可能な文があります」
プログラムが自由形式で書かれている場合はコンパイルオプション -free を指定してください。


※ 後は入出力関連や(時間の計測等の)処理系固有のルーチンを使っていないかチェックする必要があります。 センターで利用する Fortran 処理系の詳細は、日立発行のマニュアルを参照してください。


・SR11000 最適化 FORTRAN90 使用の手引(3000-3-C22)
・SR11000 最適化 FORTRAN77 使用の手引(3000-3-C24)


SR11000 で作成した業界標準形式のバイナリーデーターが LINUX の PC で読めません。
業界標準形式のデータでも CPU のアーキテクチャにより、互換性がなくなります。SR11000 や多くの WS のバイナリーデータはビッグエンディアンと呼ばれる順序で並びますが、Intel の CPU はリトルエンディアンと呼ばれる逆の順序で並ぶため互換性がありません。「東大センターにおけるスーパーコンピューター利用入門 -SR11000編-」10.3 実行時オプションにある実行時オプションを指定してください。

▲ SR11000 FAQ TOPへ