東京大学情報基盤センター スーパーコンピューティング部門

2024年度萌芽共同研究公募課題
「AI for HPC:Society 5.0実現へ向けた人工知能・データ科学による計算科学の高度化(試行)」採択課題

厳正な審査のうえ、下記課題採択をさせていただきました(順不同)。

2024年度

課題名 ハイパーグラフニューラルネットワーク(HGNN)による SGS モデルの導出
代表者氏名(所属) 深川 宏樹(DeepFlow 株式会社)
利用システム Wisteria/BDEC-01 (Aquarius)
高レイノルズ乱流の直接シミュレーション(DNS)は計算コストが多大となる。そのため、計算メッシュサイズ以下のサブグリッドスケール(SGS)の渦の効果を SGS 応力に繰り込む Large Eddy Simulation(LES)が度々使われる。SGS 応力は系に依存したモデル定数を含み、例えば、Smagorinsky モデルでは、モデル定数は一様等方性乱流では 0.2、混合層では 0.15、チャネル流では 0.1 など、DNS との比較からから経験的に決め打ちした値が使用される。我々は、様々な系の DNS の結果を教師データとして用いたハイパーグラフニューラルネットワーク(HGNN)による機械学習で新たな SGS 応力項を作成すれば、幅広い系に対し、粗なメッシュであっても、密なメッシュの DNS と同じ精度 の LES が実現できると考えている。本課題では、産業上の要求から高レイノルズ流体での3D 乱流を学習した SGS モデルの開発を進め、将来的には LES への組み込みを考える。