2025年度萌芽共同研究公募課題
「AI for HPC:Society 5.0実現へ向けた人工知能・データ科学による計算科学の高度化(試行)」採択課題
厳正な審査のうえ、下記課題採択をさせていただきました(順不同)。
2025年度
課題名 | 機械学習を用いたデータ同化手法の高次元気象モデルでの実証 |
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代表者氏名(所属) | 垂水 勇太(理化学研究所 数理創造研究センター) |
利用システム | Miyabi-G, Miyabi-C |
本研究の目標は、(1) シミュレーションと学習(HPC+AI)を活用したデータ同化アルゴリズム Deep Bayesian Filter (DBF)を高次元気象シミュレーションに適用し、その性能を実証すること、および (2) 台風進路予測に重要な物理量・観測量を特定することである。データ同化は、理論モデルと観測データを用いて現状を正確に把握する手法である。データ同化における DBF の有効性は小規模な問題では確認済みだが、大規模問題への実験はまだ行なっていない。そこで、まず中規模モデル「SPEEDY」(約10 万次元)で性能評価を行い、次に大規模モデル「SCALE」(約 1 億次元)へ展開する。さらにSCALE を用いた理想実験により、台風進路予測に重要な物理量・観測量を明らかにし、予測モデルの精度向上や効果的な観測計画立案、および大規模データを用いた観測データ同化研究へ繋げる。本手法は、物理シミュレーターが存在する任意の系に広く適用可能であり、高次元系でも有効性が確認されれば汎用性の高い枠組みとなる。 |