東京大学情報基盤センター スーパーコンピューティング部門

Oakforest-PACS スーパーコンピュータシステム
「大規模 HPC チャレンジ」採択課題

2018年度 採択課題決定

このたびは、お申し込みをいただきどうもありがとうございました。以下の基準による厳正な審査のうえ、課題採択をさせていただきました(順不同)。

  • 自作コード、またはオープンソースプログラムによる研究であること。
  • 計算結果が科学的に有用、あるいは社会的なインパクトがあると考えられること。
  • 本センターの運用、ユーザーにとって有用な情報を提供すること。
  • 8,208 ノードの利用を目標としていること。
  • 計画に実現性があり、短時間で効果を示すことが可能であること (一回の利用期間は最大 24 時間)。
第1回採択課題 | 第3回採択課題

第1回採択課題

課題名 大規模原子力流体コードの性能評価
代表者名(所属) 井戸村 泰宏(日本原子力研究開発機構 システム計算科学研究センター高度計算機技術開発室 室長)
本研究ではOakforest-PACS上で3次元多相多成分熱流動解析コードJUPITERおよび5次元プラズマ流体解析コードGT5Dの開発を推進している。これらの大規模原子力流体コードは陰解法ソルバが必要なコストを占める。しかしながら、従来のクリロフ部分空間法ではメニーコア環境における演算加速によって通信のボトルネックが顕在化しており、強スケーリングを向上することが難しかった。この問題を解決するために、最新の省通信クリロフ部分空間法を導入し、JUPITERではポアソン方程式の対称行列向けの前処理付チェビシェフ基底省通信CG法ソルバ、GT5Dでは移流項の非対称行列向けの省通信GMRES法ソルバを開発してきた。本研究では上記コードの全系規模の強スケーリングを評価することにより、エクサスケール計算に向けた省通信アルゴリズムの有効性を評価する。

課題名 超大規模疎行列の固有値計算
代表者名(所属) Gehard Wellein(Friedrich-Alexander-Universität Erlangen-Nürnberg, Department of Computer Science, Professor)
The project aims at large-scale eigenvalue computations for sparse matrices from quantum physics applications including models for novel materials such as graphene and topological insulators. We focus on the computation of bulks (100-500) inner eigenvalues of matrices with dimensions 10^10 and larger. We deploy a Chebyshev filter diagonalization procedure using high degree polynomial filters, which is known to be robust for the application scenarios in our project. Moreover, this approach has very low global communication demands and can exploit efficient sparse matrix block vector operations. Though based on sparse linear algebra our implementation achieves about 10% of peak performance on all modern HPC architectures. In this project we want to extend our parallel runs from 2048 nodes of Oakforest-PACS to the full machine to demonstrate 1 PF/s sustained performance level for our classes of sparse eigenvalue problems.

▲ 採択課題 TOPへ

第3回採択課題

課題名 超並列 100 ナノメートル電子状態計算における極限的ストロングスケーリング性能調査
代表者名(所属) 星 健夫(鳥取大学大学院 工学研究科)
世界最大となる 100 ナノメートルスケール(数億原子)大規模電子状態計算について,OFP 全ノードに到るまでの極限的強スケーリング性能の調査を行う.100 ナノメートルスケールの大規模電子状態計算を産業利用することは,現・次世代スーパーコンピュータの果たすべき主要な役割の 1 つである.申請者は,フレキシブル(柔らかい)有機デバイスを主ターゲットとして,「京」産業利用課題などを通じて,上記課題に取り組んでいる.「京」上で開発した自作コード ELSES(http://www.elses.jp/)を用いている.世界最大となる 1 億原子(100 ナノメートルスケール)計算が,「京」全体を用いてすでに達成されている.本課題では「京」での上限を上回る大規模計算を行い,HPC の現状先端を体現すると共に,ポスト「京」(メニーコア型 CPU 搭載スパコン)に向けての指針を得る.また知見は,次年度以降の実問題計算にも,活かしていく.

課題名 ADVENTURE_Magnetic による 1,000 億自由度数値人体モデルの高周波電磁界解析
代表者名(所属) 杉本 振一郎(八戸工業大学 工学部)
ADVENTURE プロジェクトでは,数万ノード規模の超並列計算機環境において 1 兆自由度規模の大規模電磁界解析を行うことを目的に,並列電磁界解析ソルバ ADVENTURE_Magnetic の研究開発を進めている.またソルバの研究開発と平行して,1 兆自由度規模のデータをハンドリングするためのプリポストの整備もすすめている.本課題では,Oakforest-PACS の 8,208ノード用いて,1,000 億自由度規模の数値人体モデルの解析を実施してソルバの並列性能を評価するとともに,大規模電磁界解析における課題を抽出し,今後の研究開発に役立てていく.将来的には高周波誘電加温による癌の温熱療法の効果を定量的に評価するシステムの研究開発へつなげてゆくことを考えている.

▲ 採択課題 TOPへ