東京大学情報基盤センター スーパーコンピューティング部門

Reedbush-H スーパーコンピュータシステム
「大規模 HPC チャレンジ」採択課題

2018年度 採択課題

このたびは、お申し込みをいただきどうもありがとうございました。以下の基準による厳正な審査のうえ、課題採択をさせていただきました(順不同)。

  • 自作コード、またはオープンソースプログラムによる研究であること。
  • 計算結果が科学的に有用、あるいは社会的なインパクトがあると考えられること。
  • 本センターの運用、ユーザーにとって有用な情報を提供すること。
  • 120 ノードの利用を目標としていること。
  • 計画に実現性があり、短時間で効果を示すことが可能であること (一回の利用期間は最大 24 時間)。
第1回採択課題

第1回採択課題

課題名 メモリ・アクセス頻度がGPUのばらつきに与える影響の調査
代表者名(所属) 三輪 忍(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
CPUには同一ロット間であっても電力ばらつきが存在することから、CPUの電力管理においてはばらつきを考慮して個々のCPUの電力キャッピング値を制御することが重要である。申請者は、同様の問題がGPUにも存在すると考えており、高効率なGPUの電力管理方式の実現に向けて、Reedbush-Hに搭載されたGPUの電力ばらつきの調査を実施している。2018年1月に実施した大規模HPC チャレンジでは、Reedbush-H に搭載されたGPU計240台において異なる特性を有する3種類のアプリケーションを実行したところ、最大19.2%の電力ばらつきが存在すること、および、グローバル・メモリのアクセス頻度によってばらつきの傾向が異なる可能性があることを確認した。上記の調査結果を踏まえ、本研究課題では、グローバル・メモリのアクセス頻度と電力ばらつきの関係を詳細に調査する。具体的には、グローバル・メモリのアクセス頻度を変更可能なシンセティック・アプリケーションを各GPUで実行し、アプリケーションのメモリ・アクセス頻度とGPUの組み合わせによって消費電力や実行時間にどの程度の差が生じるかを確認する。